小さな坊さんの話

 江戸時代のお話なんじゃがの〜。この村に信心深い甚助さんというお百姓さんがおったんじゃ。甚助さんは一生懸命働いての〜、前から欲しかった大きな仏壇を買ったんじゃ。甚助さんは、それは嬉しくての〜、毎日朝昼晩必ず仏壇に手を合わせておったんじゃ。しかし、甚助さんは一つだけ、気になっていた事があったんじゃ。御本尊さんとして祀ってあった阿弥陀さんの仏像が、前に使っておった小さな仏壇の物での〜、大きい仏壇にはちょっと小さいのではと思っておったんじゃ。
 ある朝、いつもの通り仏壇に手を合わせていると、甚助さんは急に立ち上がっての〜。家族の者にこう言ったんじゃ。
『わし、今から京都の本願寺さんに行って、大きな仏像を買ってくるわ。』甚助さんは、旅の支度をすると、小さな阿弥陀さんを懐に入れて旅立ってしまったんじゃ。
 甚助さんは初めての旅行だったもんで、とても楽しかったんじゃ。暫くすると、自分の後ろをつけてくる小さなお坊さんに甚助さんは気がついたんじゃ。そのお坊さんの姿は小さいが、立派な気品溢れる顔だちをしておられたんで、甚助さんは、すぐに偉いお坊さんだと気がついたんじゃ。

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